二人が出会ってから二日目。
『…以上で、ニュースを終わります』
深夜に殺人事件が発生したようだ。
要約すれば本日未明、男性が“口を裂かれ”殺害。
陽輝はそのニュースを見ていた。
「へぇ、今のテレビって、こんなに繊細なのね」
昔のブラウン管のテレビと違っているのに、京子は驚いている。
「口を裂かれて…、京子さん、何か知ってる?」
陽輝は“同じ口裂け女の種族が事件を起こした?”と遠回りに京子に訊く。
「わたし、三姉妹で三人とも口が裂けてるの。――と話では通ってるみたいだけれど…」
京子は少し考え込み、そう返答した。
陽輝は三姉妹とも口が裂けてるのを想像する。
(…少しおかしい。姉妹だとしても三人ともが“同じ口裂け女”となるのだろうか?)
「けれど?」
陽輝は訊く。だが京子はそのまま黙り込んでしまった。
「…学校、行くね」
陽輝は時間を見てそろそろかと思って言い、家を出ていった。