「…ということで、暫くの間、休校ということになりました」
副タンが教室で告げる。
喜んだらいいのか…、いきなりの休み…いや、自宅学習に生徒は動揺している。それもそのはず、いつ事件が解決するのか分からないからだ。
少なくとも、陽輝は心当たりがあるのだ。昨日のルモール、今日の佐藤、二人とも最後に接触したのは陽輝なのだからだ。次に陽輝が接触する人物の安否によっては犯人になるかもしれない。
その放課後、陽輝はキープアウトを押し切って新聞部室に入る。生前の彼を最後に見たということを警察に告げたかったからだ。
「おや、君は以前の…」後藤教諭が殺害された時の担当をしていた刑事と同じ人だった。