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    一話 クチサケの涙 Vol.34

    • 2008.06.30 Monday
    • 08:00
    朝礼が始まる。
    副タンがこの日の連絡をし、教室がざわめく頃だった。
    …気配がする。アイツだ。姿は見えないが視線が感じられる。
    携帯電話が鳴った。メールがきたみたいだ。
    誰からだ?
    『めえるってこんな感じなの。 京子』
    京子の携帯電話は陽輝が持っている。ではどうやって? 陽輝はすぐさま京子の携帯電話を確認する。
    『送信済一件――陽輝』
    このケータイでつい先ほど送信されている。
    …誰が、いつ、どうやって?
    誰かが操作しているのか?
    一限目が始まろうとしていた。
    「大変だ!新聞部部室で佐藤が…!」
    今度はなんだよ。
    野次馬は部室に向かう。
    さっき陽輝に質問攻めをしていた男、佐藤が殺害された。しかも口を裂かれて。
    通り魔なのか、誰かが計画んで殺ったのか。
    一連の殺人鬼は学校にいる。十人が十人、そう思うだろう。
    ではその犯人はどこな隠れているのか?
    皆は至る所を注意するようになる。
    「こら!教室に戻らないか!」教頭の鶴の一声で野次馬は散った。

    一話 クチサケの涙 Vol.33

    • 2008.06.18 Wednesday
    • 08:02
    …運が悪かった。彼は新聞部部長。生徒全員の噂はどんな手を使ってでも調べあげることで有名だということに気がついた。良い噂も悪い噂も完全なる『事実』を伝えている。どんな妖怪でもコイツが一番恐ろしいだろう。
    「どんなことをしてでも見つけるからな」
    彼が叫んだセリフだった。

    一話 クチサケの涙 Vol.32

    • 2008.06.17 Tuesday
    • 07:56
    陽輝は学校で訊かれる。
    「お前をナカドウサトルの家の近くで女と一緒に歩いてるのを見たって奴がいるんだが、何してたんだ?」
    誰かが目撃したらしい。普段はあっち方面に行かない、それに女と一緒。デートとして見られるのだろうか?
    「それにあの女、誰なんだ?お前、全然そんな気配がしなかったぞ」
    …こっちにもそれなりのワケがあるんだよ。
    陽輝は口を閉ざしたままだった。
    「もしかしてお前、もうしたのか?」
    「…なにをだよ」
    お前は何を求めてるんだよ。
    「その顔からしてまだなんだな」
    …やはりそっちのことか。
    「もしかして、エーもまだなのか?」
    「……」
    どこまでを言えばいいのかわからなかった。彼女が「口裂け女です」というのは避けたい。
    「付き合って何日だ?」
    質問しすぎるだろ。
    「まだ四日目だが」
    「四日目?お前、ナンパしたのか?」
    どこから説明したらいいのか。
    ナンパになるのか逆ナンになるのか。
    「…なんだよぉ、もしかして出会い系なのか?」
    「…知ってどうするつもりなんだよ」
    まったくだ。事実を言えば危ないだろう。現代妖怪である彼女をこれ以上苦にしたくない。ましてや全国的に有名な口裂け女、状況がわからないひとはまずいないだろう。警察は真っ先に彼女を疑うこととなるだろう。

    一話 クチサケの涙 Vol.30

    • 2008.05.13 Tuesday
    • 06:49
    二人は帰ってきた。
    京子は確かめたかった。でも確かめられない。ジレンマというより陽輝が本気なのかが気に障ったのだろうか。京子は殺意があったが好意もあった。京子は、それを信じることにした。
    この日も京子が作った精進料理。
    二人は向かい合わせながら沈黙している。
    短針が八時を指したとき、先に口を開けたのは陽輝の方だった。
    「そういえば、昨日お風呂入ったよね?…もしかして、下着つけてないの?」
    「はだけたのよ、あの時に」
    「はだけた?」
    「彼、性的欲求をわたしで満たそうとしたのよ。…こわかったのよ」
    「…」
    「…」
    二人の間に再び空間が生まれていた。

    一話 クチサケの涙 Vol.29

    • 2008.05.12 Monday
    • 08:24
    数秒の事だった。京子は何をされているのかわからなかった。気がつくとマスクの上から接吻をされてる。薄い壁ながら陽輝の温もりが京子に伝わってくる。
    ――貴方はなにもわかってない!
    京子は出そうとした。だが陽輝に両腕を掴まれている。
    しばらくすると陽輝の顔が離れる。だが両腕は掴まれたまま。
    焦点を合わせると、陽輝があの時京子を襲った男と顔がかさなった。
    陽輝も、自覚しているのだろうか。
    「カップルは必ず別れる」井の頭公園で陽輝が最後に言った言葉だった。

    一話 クチサケの涙 Vol.28

    • 2008.05.09 Friday
    • 09:48
    次に赴いたのは公園。
    この公園にはあるジレンマがある。
    「京子さんは知らないよね?」
    「なにが?」
    「十数年前にこの公園で殺人事件があったこと」
    ここは井の頭公園。無意識に陽輝はあのジレンマを実行しようとしたのだろうか。
    井の頭公園バラバラ殺人事件。なぜ陽輝はこの事件を持ち掛けたのだろう。
    二人は井の頭公園を歩く。
    「あのジレンマが本当か試してみないか?」
    「ジレンマって?」
    「それは――」

    一話 クチサケの涙 Vol.27

    • 2008.05.06 Tuesday
    • 22:42
    京子は一枚の紙を出す。
    「お尋ね者ってか」
    「一家と恋人殺害って載せられたのよ!まあこんな顔になったのはその直後に…、神社の向かいに整形外科の病院があったでしょ?そこが失敗したのよ。だけどその代わりに変装しなくてもよくなったけど…」
    悲観的なのか前向きなのか…。
    「…、消したくても消えない記憶なんだね」
    京子はいきさつを話したが、陽輝は出せる言葉が見当たらなかった。
    「…彼、最後に何か言ってた?」
    陽輝は少し気になる。
    「何かって…、特に何も言ってないわ」
    「本当に?」
    「気に障ることは言ってなかったわ」
    陽輝は確認した。
    「彼、クスリとか使ってないから…」
    無服用の人間が自ら発狂することってあるのだろうか?…何かが彼を精神的に追い詰めたのだろうか。
    …だが、もう過去のこと。これ以上は京子も気を汚すことになる。
    「…そろそろ次、行く?」
    この重い空気から逃げたかったのか、陽輝は事を早く済もうとしたかった。
    「もう…、くることないわね」
    二人は、辛い表情で神社を去った。

    一話 クチサケの涙 Vol.27

    • 2008.04.30 Wednesday
    • 16:07
    「神社って、ここでよかったのかな?」
    「うん、一度でいいから来たかったの」
    二人が来たのはどこかそっけない無人の神社。
    「懐かしいわ…」
    「懐かしいって?」
    「私、この神社に住んでたの。…あの事件まではね」
    「あの事件?」
    「この事件より前のことよ」
    陽輝はどういうことなのかわからなかった。
    「すぐに、わかるわ。きっと」
    …“前の口裂け女”のことだろうか?
    「この神社って何を祠ってたの?」
    陽輝は諦めて別の話題を作る。
    「なんだったかしら…、よく覚えてないわ」
    「そっか。…巫女だったの?」
    「あの事件まではね」
    戻ってきた。言葉のキャッチボールは難しいものなのだろうか。
    「成人式の前の日だったかしら、…私にも好きな人がいてね、家によんだの。まだ告白はしてなかったけれど。…そしたら彼が急に発狂したの。メチャクチャよ。その時にこれがなければ…」
    京子は一旦話を中断し、コートの中から鎌を出す。
    「…殺ってしまったの?」
    「正当防衛のつもりだったのよ」

    一話 クチサケの涙 Vol.26

    • 2008.04.22 Tuesday
    • 09:46
    「…ふぅ、本当にどこに行ったんだ?」
    家を一通り調べることにした。
    「風呂場か?でもそんな場所に持ってくるはずないからな…」
    呼び鈴が鳴る。
    「ん?誰ですか?」
    「…ノルン」
    玄関の向こうからは声の低い女性の声が聞こえた。
    「入れ」
    扉ごしに言う。
    刹那。
    「お…前……、ゴフッ!それ…を……、返…」

    一話 クチサケの涙 Vol.25

    • 2008.04.16 Wednesday
    • 07:22
    「物好きな泥棒なんだな」
    陽輝は言う。
    「そんなにいい資料ではないのだがなぁ…」
    ルモールは心配するが「気にするな」と陽輝はいうので気を紛らわすことにしようとした。
    「それじゃあ、次の番があるからまた後日伺いますね」
    陽輝はそう言って玄関に向かう。
    「京子さん、次は貴女が行きたい場所を決めてくれる?」
    「行きたいって…、本当にいいの?」
    「いいよ」
    「それだったら…、神社いきたいな」
    「神社だね、わかったよ。お邪魔しました」
    「ルモールさん、お邪魔しました」
    二人の会話はこれで終わり、ルモールの家を出た。

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